Safari Tech Logo
地質調査DX2026.07.29

層序対比とは|複数孔の柱状図から地層をつなぐ考え方

層序対比は、孔ごとにばらばらの柱状図を、調査地点としてひとつの地盤像にまとめる作業です。判断の根拠と、難しくなる場面を実務目線で整理します。

層序対比とは、複数のボーリング孔で確認された地層を見比べ、同じ地層とみなせるものをつないでいく作業のことです。孔ごとに得られる柱状図は、あくまでその1点の記録にすぎません。設計に使えるのは、調査地点全体としてどう地層が広がっているかという情報です。その橋渡しをするのが対比です。

なぜ孔ごとではなく、地点として層を決めるのか

1つの調査地点で複数孔を掘ると、同じ地層でも孔によって出現する深度が違います。地層は水平に積もっているとは限らず、傾いていたり、厚みが変わっていたりするためです。孔ごとに層を決めたままでは、どの層に基礎を載せるのかという判断ができません。

そこで、孔をまたいで同じ層をつなぎ、地点としての層序を確定させます。この結果が、断面図や代表N値、地盤定数といった後工程すべての土台になります。柱状図そのものの読み方は柱状図の見方で解説しています。

何を根拠に「同じ層」とみなすのか

  • 土質区分:砂質土か粘性土か、礫を含むかといった土の種類の一致
  • N値の傾向:深度に対するN値の出方が、孔をまたいで似た変化をしているか
  • 色調や含有物:貝殻、腐植物、火山灰など、その層に特徴的なものの有無
  • 標高と連続性:孔間の距離に対して、層の傾きが自然に説明できるか

どれか1つで決めるというより、複数の手がかりを重ねて判断します。土質区分の考え方は土質区分・土質記号とは、N値の意味はN値とはを参照してください。

対比が難しくなる場面

  • 層の厚みが孔ごとに大きく変わり、どこまでを同じ層と見るか判断が割れる
  • ある孔では確認できた層が、隣の孔では消えている(尖滅している)
  • 埋土や盛土が厚く、自然の地層との境目がはっきりしない
  • 孔と孔の距離が離れており、その間の連続性を確かめる材料がない

こうした場面では、対比の仕方によって結論が変わります。だからこそ、どう判断したのかを報告書に残しておくことが重要になります。

対比の結果は何に使われるか

対比して確定した層ごとに、代表N値を整理し、地盤定数を求めます。基礎をどの層で支えるかという判断も、この層序の上で行われます。支持層の考え方は支持層とはで解説しています。図として表現したものが地質断面図で、その作成手順は地質断面図を効率的に作るにはにまとめています。

対比作業の負担を減らす

対比そのものは技術者の判断ですが、その手前の準備には手間がかかります。各孔の柱状図を標高で揃えて並べ、N値や土質を見比べられる状態にするまでが特に面倒です。サファリテックの地質調査AI「CAMEL」には層序対比エディタがあり、複数孔を標高で揃えて表示し、同じ地層をクリックで対比できます。層境界は後からいつでも見直せるため、判断そのものは技術者の手に残ります。

Q.層序対比とは何をする作業ですか?
A.複数のボーリング孔で確認された地層を見比べ、同じ地層とみなせるものをつないでいく作業です。孔ごとの記録を、調査地点としてひとつの地盤像にまとめるために行います。
Q.同じ層かどうかは何で判断しますか?
A.土質区分、深度に対するN値の傾向、色調や含有物、標高から見た連続性などを重ねて判断します。1つの手がかりだけで決めることはあまりありません。
Q.孔が1本だけの場合も対比は必要ですか?
A.対比という作業自体は発生しません。ただし近隣の既往ボーリングがあれば、それと見比べることで層の広がりを推定できる場合があります。

Supervised by

監修:株式会社サファリテック 代表取締役 小林由快(北海道大学工学部卒。建設コンサルタント(日水コン)で土木設計・工事監理に従事した実務経験に基づき、内容を確認しています)

Related Product

CAMEL(地質調査サポートエージェント)

柱状図や土質試験のPDFを読み取り、N値の抽出から地盤定数の算出、報告書のドラフトと図表の作成までを支援するAIです。

  • 柱状図・土質試験PDFの読み取り(精度は概ね90%・技術者の確認が前提)
  • N値の換算と、地盤定数(γt・c・φ・E)の算出根拠つき出力
  • 報告書 第1〜5章のドラフトと、N値分布図・断面図・柱状図綴りの作図

自社での検証では、報告書作成が約50時間から約35時間になりました。

Free Diagnosis

まず自社の状況を整理したい場合は、約1分の無料診断からどうぞ。報告書作成のどの工程を圧縮できそうかがわかります。

地質調査DX診断(無料・約1分)

実際の柱状図で試したい、費用感を知りたいといったご相談も承っています。

無料で相談する