室内土質試験の結果整理とは、試験機関から戻ってきた試験成果を、報告書に載せる一覧表や図の形にまとめ直す作業のことです。試験そのものは外注していても、結果を報告書の様式に落とし込む工程は調査会社の側に残ります。手間の大半は判断ではなく、転記と、単位や有効数字の揃え直しです。
室内土質試験の結果は、どんな形で届くのか
室内土質試験は、試験項目ごとに別々の試験として実施されます。そのため成果も、項目ごとに分かれた試験成績表として戻ってくるのが一般的です。1つの案件でも、試料の数だけシートが積み上がります。
- 物理試験:土粒子の密度、含水比、粒度など、土の基本的な性質を調べるもの
- コンシステンシー試験:粘性土の液性限界・塑性限界を調べるもの
- 力学試験:一軸圧縮試験、三軸圧縮試験など、土の強さを調べるもの
- 圧密試験:粘性土が荷重を受けて縮む性質を調べるもの
それぞれの試験が何を調べているかは、一軸圧縮試験とはやコンシステンシーとはで個別に解説しています。また、乱れの少ない試料が必要になる理由については不撹乱試料とはを参照してください。
結果整理でやっていること
試験結果一覧表にまとめる
まず、試料ごとにばらばらの成績表から必要な値を拾い、1枚の一覧表に集めます。行は試料、列は試験項目という形が多く、深度と試料番号の対応が崩れないよう並べるのが要点です。ここで単位や有効数字を社内の様式に合わせて揃えます。
図を作成する
粒径加積曲線や、深度に対する物性値の分布図など、報告書に載せる図を作ります。試験機関の成績表に付いている図をそのまま使えることもありますが、報告書の体裁に合わせて作り直す場合も少なくありません。
地盤定数の検討につなげる
整理した試験結果は、そのまま設計に使う値の根拠になります。室内試験から直接求める値もあれば、N値からの推定と突き合わせて妥当性を確かめる使い方もあります。この関係は地盤定数とはで整理しています。
手戻りが起きやすいところ
- 試験機関ごとに成績表の様式が違い、値の位置が案件によって変わる
- 単位や有効数字が報告書の様式と合わず、転記後に直すことになる
- 試料番号と深度の対応を取り違え、後工程の図表まで巻き込んで修正が発生する
- 他の試料と傾向が大きく異なる値に気づくのが、図を作る段階まで遅れる
どれも技術的に難しい作業ではありません。ただ、案件ごとに同じことを繰り返すため、担当者の時間を確実に削っていきます。
整理の手間を減らすには
現実的な手立ては2つあります。1つは、社内で一覧表の様式を固定し、どの案件でも同じ列構成で受けられるようにしておくこと。もう1つは、成績表から一覧表への転記そのものを機械に任せることです。
サファリテックの地質調査AI「CAMEL」は、室内土質試験のPDFを取り込み、試験種類の判定を行ったうえで、所定のフォーマットのExcelと図表に構造化します。読み取りの精度は概ね90%で、値の確認は技術者が行う前提です。整理した結果は、そのまま報告書のドラフト作成にも引き継がれます。報告書全体の流れは地質調査報告書の作成をAIで効率化するで解説しています。
- Q.室内土質試験の結果整理とは何をする作業ですか?
- A.試験機関から戻ってきた試験成績表から必要な値を拾い、報告書に載せる一覧表や図の形にまとめ直す作業です。単位や有効数字を社内の様式に揃える手直しも含みます。
- Q.結果整理で時間がかかるのはどの部分ですか?
- A.判断よりも転記です。試験機関ごとに成績表の様式が異なるため、値の位置を確認しながら拾う作業と、様式に合わせた直しに時間がかかります。
- Q.AIに任せた結果をそのまま報告書に使えますか?
- A.そのままでは使えません。読み取りの精度は概ね90%で、値の妥当性や外れ値の扱いは技術者の確認が前提です。AIが担うのは転記と構造化までです。
Supervised by
監修:株式会社サファリテック 代表取締役 小林由快(北海道大学工学部卒。建設コンサルタント(日水コン)で土木設計・工事監理に従事した実務経験に基づき、内容を確認しています)
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