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コンシステンシーとは(土質)|液性限界・塑性限界・塑性指数の読み方と、塑性図での判定(計算例つき)

コンシステンシーとは、粘性土が含水比によって示す硬軟や変形のしやすさのことです。境目の含水比である液性限界・塑性限界と、その差の塑性指数で評価し、塑性図で粘土とシルトを分けます。現場でいう硬軟の区分やコンクリートの同じ言葉との違いも図で示します。

液性限界・塑性限界は、試験成績表から拾って層ごとに整理する値です。この試験結果の整理は地質調査AI「CAMEL」で短くできます。

小林 由快

監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

コンシステンシーとは、粘性土が含んでいる水の量(含水比)に応じて示す、硬さや変形のしやすさのことです。同じ粘土でも、水が多ければ泥のように流れ、少なければ固くなります。この状態の変わり目を示す指標が、液性限界と塑性限界などのコンシステンシー限界で、土質分類や圧密沈下・施工性の見当づけに使います。

地質調査の現場では、同じ言葉が粘性土の硬軟の区分(N値や一軸圧縮強さによる区分)を指すこともあります。コンクリートの分野のコンシステンシーは、フレッシュコンクリートの軟らかさを指す別の概念です。地質調査報告書や土質試験の結果に出てくるのは土質側の意味で、違いは後半で整理します。

コンシステンシー限界(液性限界・塑性限界)とは?

粘性土が液状から塑性状に変わる境目の含水比が液性限界、塑性状から半固体状に変わる境目の含水比が塑性限界です。

含水比が増えるにつれて粘性土が半固体状から塑性状、液状へ変わる帯。塑性限界と液性限界が境界で、その差が塑性指数。自然含水比の位置を液性指数で表す。
図1 含水比とコンシステンシー限界。塑性状でいられる含水比の幅が塑性指数で、現地の土の含水比がその幅のどこにあるかを液性指数で表します。

粘性土は、含水比が高い順に、液状・塑性状(粘土細工のように形を保てる状態)・半固体状と変化します。図1のとおり、液状と塑性状の境目の含水比が液性限界 wL、塑性状と半固体状の境目が塑性限界 wP で、その差が塑性指数 Ip です。試験方法は JIS A 1205:2020「土の液性限界・塑性限界試験方法」に規定されていて、粘土分を含む細粒土を対象に、425 μm 以下の試料を用いて行います。各指標の意味は表のとおりです。

指標記号意味
液性限界wL塑性状から液状に変わる境目の含水比(%)
塑性限界wP半固体状から塑性状に変わる境目の含水比(%)
塑性指数Ip = wL − wP塑性状でいられる含水比の幅。大きいほど粘性が大きい
液性指数IL = (w − wP) / Ip自然含水比 w が塑性限界と液性限界のどこにあるか。1 に近いほど液状に近い

wL・wP・Ip は JIS A 1205 に基づく。液性指数は自然含水比と組み合わせて求める指標で、現地の土がどれだけ軟らかい状態にあるかの目安になります。

自然含水比が液性限界に近い、あるいは超えている粘性土は、乱すと流動化しやすく、盛土や掘削の際に注意が必要です。逆に自然含水比が塑性限界に近ければ、硬く締まった状態にあると読めます。この試験は乱した試料で行えるので、不撹乱試料が取れない場合でも実施できます。

塑性限界・液性限界はどう求める?

どちらも JIS A 1205 の試験で求めます。試料は 425 μm(0.425 mm)のふるいを通過した部分を使い、水を加えて練り返した状態で試験するので、乱した試料でも行えます。

求める値試験のやり方その値になる状態
塑性限界 wP試料の塊をガラス板の上で手のひらで転がし、ひも状に細くしていく直径 3 mm のひもになったところで切れ切れになったときの含水比
液性限界 wL黄銅皿に試料を入れて中央に溝を切り、皿を高さ 1 cm から 1 秒に 2 回の割合で落とす溝の底が 1.5 cm にわたって合わさるまでの落下回数が 25 回に相当する含水比

(一財)日本建築総合試験所「わかりやすい試験シリーズ 土-05」(関連規格 JIS A 1205)による。液性限界は含水比を変えて数回試験し、落下回数 25 回に当たる含水比を求めます。

砂分の多い土では、液性限界試験で溝が切れない、あるいは塑性限界試験で直径 3 mm のひもにならないことがあります。この場合は塑性を示さない土として NP(Non-Plastic、非塑性)と表します。土質試験結果一覧表で塑性指数の欄が NP になっているのはこのためです。

塑性図で粘土とシルトをどう分ける?

液性限界と塑性指数を塑性図にプロットし、A線より上なら粘土、下ならシルトや有機質土に区分します。

横軸に液性限界、縦軸に塑性指数をとった塑性図。A線より上が粘土、下がシルト。液性限界50%を境に低液性限界と高液性限界に分かれる。
図2 塑性図。液性限界と塑性指数の2つの値で、粘土かシルトか、圧縮性が高いか低いかの見当がつきます。

試験結果を、横軸に液性限界、縦軸に塑性指数をとった塑性図にプロットして分類します。図2のA線より上に落ちる土は粘土(C)、下に落ちる土はシルト(M)や有機質土に区分し、液性限界50%を境に低液性限界(L)と高液性限界(H)に分けます。液性限界が高い土ほど圧縮性が高く、圧密沈下が問題になりやすい傾向があります。土質区分の判定では、粒度試験と並んでこの塑性図が根拠になります。

計算例:成績表の3つの値から判定する

成績表に、自然含水比 w = 48%、液性限界 wL = 62%、塑性限界 wP = 28% と並んでいたとします(説明のための仮の値です)。塑性指数と液性指数を計算し、塑性図のA線と比べると、次のように判定できます。

手順計算結果
① 塑性指数Ip = wL − wP = 62 − 2834
② 液性指数IL = (w − wP) / Ip = (48 − 28) / 340.59
③ A線の高さIp = 0.73 × (wL − 20) = 0.73 × 4230.7
④ 判定Ip 34 がA線 30.7 より上、wL 62% が 50% 以上粘土(高液性限界)CH

A線の式は地盤工学会『JGS 0051 地盤材料の工学的分類方法』の塑性図による。値は説明用の仮の値です。

この土は圧縮性が高い側の粘土で、圧密沈下の検討対象になりやすいと読めます。液性指数 0.59 は、自然含水比が塑性限界と液性限界の間のやや液性限界寄りにあることを示し、乱すと軟らかくなりやすい状態です。沈下の大きさは圧密試験の結果と合わせて確かめます。

現場でいう「硬軟」のコンシステンシーとは何が違う?

地質調査の現場では、同じコンシステンシーという言葉が、粘性土の硬軟の区分を指すこともあります。Terzaghi and Peck は粘性土を「非常に軟らかい」「軟らかい」「普通の」「硬い」「非常に硬い」「固結した」の6段階に分け、N値と一軸圧縮強さ qu の範囲を対応させました。たとえば「普通の」粘土は N値4〜8、qu 49〜98 kN/m² 程度に対応します。

柱状図の記事欄に書かれる「軟らかい」「硬い」はこちらの意味で、含水比による状態変化を表す液性限界・塑性限界とは別の話です。対応表は「N値から地盤定数を求める方法」に掲載しています。

2つの意味はつながっています。硬軟の区分は「今の状態」を表し、コンシステンシー限界は「含水比が変わったらどうなるか」を表します。自然含水比と液性限界・塑性限界を比べる液性指数が、その橋渡しをする指標です。

コンクリートのコンシステンシーとは何が違う?

コンクリートの分野でコンシステンシーというときは、主に水の量で決まるフレッシュコンクリートの軟らかさ、つまり変形や流動のしやすさを指します。スランプ試験で調べ、ワーカビリティー(施工のしやすさ)やプラスティシティーといった言葉と一緒に使われます。検索で「コンシステンシー」と調べると、こちらの説明が多く出てきます。

土質工学のコンシステンシーは、粘性土が含水比に応じて示す硬軟と、その境目である液性限界・塑性限界のことで、調べる試験も JIS A 1205 と別物です。「水の量で軟らかさが変わる」点は共通でも、対象・試験・使う場面が違います。柱状図や土質試験結果に出てくるのは土質側の意味です。

地盤評価ではどこで使う?

土質分類、圧縮性の目安、施工性の判断、液状化判定の補助に使います。

  • 土質分類:塑性図で粘土とシルトを分け、圧縮性の高低を判定する
  • 圧縮性・強さの目安:液性限界や塑性指数が大きい土は圧縮性が高く、圧密沈下の検討対象になりやすい
  • 施工性の判断:自然含水比が液性限界に近い土は乱すと流動化しやすい。河川砂防技術基準は堤防材料の選定でも液性限界・塑性限界試験を挙げている
  • 液状化判定の補助:細粒分を含む土の液状化しやすさを判定する際に塑性指数が参照される

粘性土はN値だけでは判断しにくいため、こうした値と合わせて評価します。強さは一軸圧縮試験、沈下の性質は圧密試験で別途調べ、含水比・液性限界・塑性限界と並べて深度方向に整理するのが報告書の定番の形です。

試料が多い案件では、成績表から一覧表への転記がそのまま手間になります。サファリテックの地質調査AI「CAMEL」は、室内土質試験の成績表を読み取って一覧表に整理し、原典と突き合わせて疑わしい値は要確認として表示します。土質試験結果一覧表はExcelで出力できます。値の読み方と判断は技術者が担います。詳しくはサービス資料をご覧ください。

Q.コンシステンシーとは何ですか?
A.粘性土が含水比によって示す硬さや変形のしやすさのことです。水が多いほど軟らかく、少ないほど固くなります。液性限界・塑性限界などの限界値で評価するほか、現場では粘性土の硬軟の区分(軟らかい・硬いなど)を指すこともあります。
Q.液性限界と塑性限界の違いは何ですか?
A.液性限界は液状と塑性状の境目、塑性限界は塑性状と半固体状の境目の含水比です。その差が塑性指数で、大きいほど粘性が大きい土です。試験は JIS A 1205 に規定されています。
Q.塑性限界とは何ですか?
A.粘性土が半固体状から塑性状(粘土細工のように形を保てる状態)に変わる境目の含水比です。試料を転がして直径 3 mm のひもにしたとき、切れ切れになる含水比として求めます(JIS A 1205)。
Q.NP とは何ですか?
A.非塑性(Non-Plastic)のことです。液性限界試験で溝が切れない、または塑性限界試験で直径 3 mm のひもにならない土に付けます。砂分の多い土で見られます。
Q.塑性図は何のために使いますか?
A.液性限界と塑性指数から、粘土かシルトか、液性限界が高いか低いかを分類するためです。A線より上が粘土、下がシルト、液性限界50%を境に低液性限界と高液性限界に分けます。
Q.コンクリートのコンシステンシーと同じ意味ですか?
A.言葉は同じですが、別の概念です。コンクリートではフレッシュコンクリートの軟らかさ・流動のしやすさを指し、スランプ試験で調べます。土質では粘性土が含水比に応じて示す硬軟を指し、液性限界・塑性限界試験(JIS A 1205)で調べます。地質調査の報告書や土質試験結果に出てくるのは土質側の意味です。
Q.液性限界試験は乱した試料でもできますか?
A.できます。液性限界・塑性限界試験は練り返した試料で行うため、乱れの少ない試料が取れない地盤でも実施できます。強さや圧密の性質を調べる試験は別途、乱れの少ない試料が必要です。

参考文献

  1. 1.日本産業標準調査会(JISC)『JIS A 1205:2020 土の液性限界・塑性限界試験方法』
  2. 2.(一財)日本建築総合試験所「わかりやすい試験シリーズ 土-05 土の液性限界・塑性限界試験」(試験の手順と NP の扱い)
  3. 3.地盤工学会『JGS 0051 地盤材料の工学的分類方法』(塑性図・A線)
  4. 4.全国地質調査業協会連合会『地質と調査』2022年第1号(通巻159号)教養読本 土質試験 2-1 物理試験(4)液性限界・塑性限界試験
  5. 5.国土交通省『河川砂防技術基準 調査編 技術資料』第15章第2節 河川堤防の土質地質調査(土質試験の項目)
  6. 6.関東地質調査業協会『我が国における標準貫入試験の利用実態と留意点』(2021年)表4-2-2(Terzaghi and Peck の硬軟区分)
小林 由快

この記事の監修

小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。

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