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DXロードマップの作り方|建設コンサルタントのAI推進で、最初に決める5つと3段階の順番

建設コンサルタントのDXロードマップは、最初に5つを決めて、1つの業務で試す・全社に広げる・仕組みにするの3段階で進めます。CopilotやGeminiがすでに入っている会社の進め方と、各段階で次へ進む目安も整理しました。

ロードマップの5つを貴社に当てはめて決め、最初の1業務を試すところから、建設コンサルタントAIでAI推進の担当の方と一緒に進めます。

小林 由快

監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

結論から言うと、建設コンサルタントのDXロードマップは、何年もかけて全社を変える大きな図から作るより、最初に5つのことを決めて、「1つの業務で試す→全社に広げる→繰り返しの業務を仕組みにする」の3段階で進めるほうが止まりません。最初に決める5つは、使うAI、AIに渡してよい資料、最初に任せる業務、効果の測り方、担当と定例です。

AI推進の担当を任されたものの、何から手を付ければよいか決まらない。CopilotやGeminiを全社で入れたのに、使っているのは一部の人だけ。この記事は、そんな建設コンサルタント(建コン)の方に向けて、ロードマップの中身と順番を整理したものです。建設コンサルタントのAI推進を外の手を借りて進める場合の頼み方は、サービスのページにまとめています。

建設コンサルタントのDXロードマップは、なぜ止まりやすいのか

よくあるのは、全社員にAIのアカウントを配ったところで止まる形です。使い方は人に任され、どの資料を入れてよいかも決まっていないので、慎重な人ほど使いません。もう1つは、いきなり大きなシステム開発の計画から入る形です。業務の流れを書き出す前に作り始めるので、出来上がったものが現場の手順に合わず、使われなくなります。

どちらも、ロードマップに「最初に何を決めるか」と「次の段階へ進む目安」が書かれていないことが原因です。建設コンサルタントの業務は、発注者ごと・業務ごとに様式や手順が違うので、全社一律の計画より、1つの業務で確かめてから広げる順番のほうが合っています。

最初に決める5つのこと

決めること決め方の目安決めないと起きること
1. 使うAIすでに全社で入っているもの(Microsoft 365ならCopilot、Google WorkspaceならGemini)から始める。ファイルを読んで書き出す作業まで任せたいなら、AIエージェントも候補人によって使うサービスがばらばらになり、資料の扱いを管理できない
2. AIに渡してよい資料発注者から預かった資料・社内の成果品・個人情報を分け、学習に使わせない設定とあわせて決める判断が人任せになり、慎重な人ほど使わなくなる
3. 最初に任せる業務時間がかかっていて、手順が決まっていて、出来を技術者が確かめられる業務を1つ効果の見えない使い方が続き、社内に見せる例ができない
4. 効果の測り方その業務に今かかっている時間を先に測り、AIを使った後と比べる「便利そう」で終わり、広げる判断ができない
5. 担当と定例推進の担当を1人決め、現場の技術者と月1〜2回の定例を持つ詰まったときに聞く相手がいず、使うのをやめてしまう

使うAIの比べ方は業務で使う生成AIの選び方、渡してよい資料の決め方は業務データを入れてよい生成AIの選び方と建設業の生成AI社内規程のつくり方にまとめています。最初に任せる業務の候補は建設コンサルタントがAIエージェントに任せられる業務8つが参考になります。

3段階のロードマップ

段階やることできあがるもの次へ進む目安
第1段階 1つの業務で試す推進の担当と現場の数人で、決めた1業務をAIに任せてみるその業務の頼み方の手順書と、使う前と後の時間の比較手順どおりにやれば、担当以外の人でも同じ出来になる
第2段階 全社に広げる社内規程を整え、全社員向けの研修で頼み方と確かめ方をそろえる。任せる業務を部署ごとに増やす社内規程、研修の教材、部署ごとの任せる業務の一覧同じ照査や計算を、大量に繰り返している業務が見えてくる
第3段階 仕組みにする繰り返しの多い業務だけを切り出し、照査や計算のルールを組んだ専用の仕組みを作る業務に合わせたシステム(数量計算書の照査・積算基準の当てはめなど)仕組みに任せた分の時間を、技術判断と提案に回せている

第1段階:1つの業務で試す

最初の業務は、打合せ記録簿づくり、報告書の概要版、図面の数値のExcelへの書き写し、基準書の該当箇所の確認のように、時間がかかるのに判断は少ない作業から選びます。担当の方がまず自分で使ってみて、うまくいった頼み方を手順書に残します。ここで大事なのは、AIを使う前のかかった時間を先に測っておくことです。比べる数字がないと、次の段階に進むかを決められません。

第2段階:全社に広げる

1つの業務で手順が固まったら、社内規程を整えて全社に広げます。全社員向けの研修では、操作の説明よりも、自分の業務を題材に手を動かす時間を多く取るほうが定着します。人によって使いこなしに大きな差が出るので、詰まったときに聞ける窓口も一緒に用意します。

第3段階:繰り返しの業務を仕組みにする

全社で使ううちに、同じ照査や計算を何度も繰り返している業務が見えてきます。こうした業務は、その都度AIに頼むより、照査のルールや積算基準を組み込んだ専用の仕組みにしたほうが速く、結果もそろいます。開発は、実物の資料で正答率を確かめてから小さく始めます。照査と積算での考え方は生成AIで照査・積算はどこまでできるかで詳しく扱っています。

CopilotやGeminiがすでに入っている会社の進め方

Microsoft 365 CopilotやGoogle WorkspaceのGeminiをすでに全社で契約しているなら、新しいサービスを足すより、いま入っているものを使いこなすところから始めるのが近道です。ロードマップの第1段階は、そのサービスの中でできる業務から選びます。

  • Copilot:Wordでの記録簿・報告書の下書き、Excelでの数量表の確認と集計、Outlookでの発注者とのやりとりの整理、PowerPointでの協議資料づくり
  • Gemini:ドライブに置いた基準書や過去の報告書の要約、スプレッドシートの集計、Gmailの返信案、議事録のまとめ
  • どちらも、図面や成果品がファイルサーバーにあってクラウドに移していないと、そのままでは読ませられない。どの資料をどこに置くかを第1段階で決めておく

有料版と無料版の違いはMicrosoft 365 Copilot 有料版と無料版の違いで扱っています。サービスの中だけでは届かない、フォルダの資料を読んでExcelや文書に書き出す作業は、AIエージェントを足す候補になります。

つまずきやすい所

  • アカウントを配って終わりにする。使い方と渡してよい資料を決めないと、使う人が増えない
  • 効果を測らない。使う前の時間を測っておかないと、広げるかどうかを決められない
  • 最初から全業務を対象にする。様式や手順が業務ごとに違うので、1つずつ確かめるほうが早い
  • 開発から始める。業務の流れを書き出し、研修で使ってみて繰り返しが見えてから作るほうが、使われるものになる
  • 若手の教育の方針を決めない。AIの出したものを確かめて直すのは技術者の仕事として残るので、確かめ方を教える前提を最初に決めておく

直轄業務で使うときに確かめておくこと

国の直轄業務で、報告書本文の作成など成果のとりまとめに生成AIを使う場合は、生成AI利活用計画書の提出が必要です。ロードマップの第1段階で選ぶ業務と、渡してよい資料のルールは、そのまま計画書の利用サービス名・入力情報の取扱い・リスク対策の欄に書ける形にしておくと、後で慌てずに済みます。書き方は生成AI利活用計画書の書き方にまとめています。

Q.建設コンサルタントのDXロードマップは、何から作ればよいですか?
A.使うAI、AIに渡してよい資料、最初に任せる業務、効果の測り方、担当と定例の5つを決めるところからです。そのうえで、1つの業務で試す、全社に広げる、繰り返しの業務を仕組みにする、の3段階で進めます。
Q.AI推進の担当になりました。最初の1か月で何をすればよいですか?
A.最初に任せる業務を1つ決め、今その業務にかかっている時間を測ったうえで、自分で使ってみるところまでが目安です。うまくいった頼み方を手順書に残しておくと、次の段階で社内に広げやすくなります。
Q.Copilotを全社で入れたのに、使われていません。どうすればよいですか?
A.使い方と渡してよい資料が決まっていないことが多い原因です。社内規程で資料の扱いを決め、全社員向けの研修で、自分の業務を題材に手を動かす時間を取ると定着しやすくなります。
Q.システム開発はどの段階で考えればよいですか?
A.全社で使ううちに、同じ照査や計算を大量に繰り返している業務が見えてきた段階です。その業務だけを切り出し、実物の資料で正答率を確かめてから小さく作ります。
小林 由快

この記事の監修

小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。

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建設コンサルタント出身の代表が、貴社のAI活用を2つの頼み方で支えます。自分たちでAIエージェントを使いこなせるまで付き合う伴走型のAI研修と、照査や計算を仕組みにする受託開発です。

  • 図面の読み取り、報告書の概要版、比較検討表など、貴社の業務を題材に進める
  • AIチャットで探した後の、写す・まとめる・保存する作業までAIエージェントに任せる
  • 照査・計算・積算は、小さく試してから仕組みに作り込む

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