建設コンサルタントのAI活用で任せられるのは、基準書を探す、計算書の数値を突き合わせる、報告書の下書きを作るといった作業です。設計条件の決定や照査結果の判断は技術者に残り、探す・写す・突き合わせる時間が減った分を、判断に回せるようになります。
この記事は、建設コンサルタントの日水コンで土木設計と工事監理に携わってきた、サファリテック代表の小林由快が監修しています。
建設コンサルタントがAIでできること、作り込みが要ること
AIの仕組みを層に分けると、既製の自社AIサービスが用意しているのは灰色の部分までです。緑の部分は業務ごとのルールそのものなので、既製品には入っていません。
基準書を登録して質問に答えさせるだけなら、Dify や Microsoft Copilot などの既製品で足ります。開発が必要になるのは、計算・照査・積算のように業務のルールを組み込む部分と、答えが正しいかを測る仕組みです。
たとえば数量計算書の照査
照査では、計算式から検算した値と記載値を突き合わせ、食い違いのある行だけを技術者に返します。1行ずつ追う作業が、食い違いの理由を確かめる作業に変わります。
工程ごとの向き不向きは建設コンサルタント業務での生成AI活用で詳しく整理しています。
何から始めるか
始め方は、AIに任せたい業務で決まります。いちばん時間を取られている業務を1つ選んでください。
建設コンサルタントのAI導入の進め方
検証では、貴社の技術者に実際の業務で出てくる質問と正解を作ってもらい、その正答率でどこまで任せられるかを判断します。積算のように難しい業務は検証から外し、結果を見て本構築に入れるかを決めます。費用も、まず検証の範囲で見積もるほうが無駄が出ません。
直轄業務で使う場合は、生成AI利活用計画書の提出が必要になることがあります。書き方は生成AI利活用計画書とはで解説しています。
よくある質問
- Q.建設コンサルタントの業務で、AIは何に使えますか?
- A.基準書・要領や過去成果の検索と質問対応、数量計算書の照査、設計計算の検算、報告書や照査報告の下書きに使えます。照査や検算は、計算を規則として組み、生成AIには根拠の提示と説明を任せる形にします。
- Q.基準書の検索だけなら、開発を頼む必要はありますか?
- A.多くの場合、必要ありません。基準書を登録して質問に答えさせる使い方は、既製の自社AIサービスや Dify、Microsoft Copilot などでほぼ実現できます。開発が必要になるのは、数量計算書の照査や積算基準の当てはめのように、業務のルールを組み込む部分です。
- Q.計算や積算を生成AIに任せてよいですか?
- A.計算そのものを生成AIに任せるのは避けてください。数量や単価の計算は規則として組み、生成AIには該当する基準の提示と、結果の根拠や注意点の説明を任せます。最終的な判断は技術者が行う前提です。

この記事の監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役
北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。
Related Product
建設コンサルタントのAI
建設コンサルタント向けに、基準書の検索に加えて、数量計算書の照査・設計計算の検算・積算基準の当てはめまでを作り込む自社AIを構築します。
- 既製品で足りる部分と作り込みが要る部分を、最初の相談で切り分け
- 貴社の技術者の質問と正解で精度を測る検証(PoC)から開始
- 照査・計算・積算など、既製品では届かない部分を作り込む
建設コンサルタント出身の代表が、業務を理解したうえで設計します。
