建設業の人手不足をAIで補う方法は、採用を増やすことではなく、探す・写す・まとめるといった定型作業をAIに任せて、一人あたりの成果を増やす「省力化」です。人は判断や現場対応に時間を使えるようになります。
この記事は、建設コンサルタントの日水コンで土木設計と工事監理に携わってきた、サファリテック代表の小林由快が監修しています。
建設業の人手不足は、なぜ採用だけでは解決しないのか?
人手不足は一時的な景気の波ではなく、就業者の高齢化と若手の減少という構造から来ています。業務が属人化していると、人が増えてもすぐには戦力になりません。専門職ではこの傾向がより強く、地質調査業では技術者が全国で12,225名、1社あたりの中央値は5名という規模です(地質調査業の技術者不足)。
省力化とは、一人あたりの成果を増やすこと
定型作業をAIに任せ、空いた時間を判断や現場対応に回すことで、一人あたりの成果を増やす考え方です。
省力化の目的は、人を減らすことではありません。定型作業をAIに任せ、同じ人数でこなせる仕事を増やすことです。空いた時間は、判断や現場対応、若手の育成に回せます。
どの業務をAIに任せられるか?
時間のかかる書類作業、営業の情報収集、担当者の手元にある協力会社の情報管理は、AIに任せて人の手を減らせます。
時間のかかる書類作業は地質調査の報告書作成(CAMEL)、営業の情報収集は公募案件の自動収集(Giraffe)、担当者の手元にある情報は協力会社の管理(Buffalo)で、それぞれ人の手を減らせます。建設コンサルタントの照査や積算のように業務ごとのルールが要る作業は、建設コンサルタントAIで作り込みます。
施工計画書・工事書類・日報のような現場の書類は、建設業のAI研修で、自社の書類をそのまま題材にAIへ任せる仕組みを1つ作るところから始められます。
一工程から始める
いきなり全社を変えようとせず、負担が大きく効果を実感しやすい一工程から始めます。選び方は建設業のAI活用が進まない3つの理由と、最初の一歩の選び方で図にしています。
よくある質問
- Q.人手不足は採用強化では解決できませんか?
- A.就業者の高齢化と若手の減少という構造的な要因があり、採用だけでは供給が追いつきません。限られた人数で成果を出す省力化を組み合わせるのが現実的です。
- Q.省力化とは人を減らすことですか?
- A.人を減らすことではなく、一人あたりが生み出せる成果を増やすことです。定型作業をAIに任せ、人は判断や現場対応に集中できるようにします。
- Q.どの業務からAIに任せればよいですか?
- A.毎回同じ手順で繰り返していて、時間がかかり、特定の人にしかできない業務からです。書類の作成や情報の収集が当てはまることが多くあります。

この記事の監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役
北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。
