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建設AI

Google Workspace の Gemini でできること|エディションごとの違いと、建設コンサルタントの業務での使い方

Google Workspace に含まれる Gemini で、エディションごとに何ができるかを整理しました。建設コンサルタントの資料をドライブで扱うときの注意と、業務での頼み方の例もまとめています。

Google Workspace の Gemini を業務で使えるようにするところは、建設コンサルタントAIの研修でお手伝いします。

小林 由快

監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

Google Workspace を全社で使っている会社なら、Gemini はすでに契約に含まれています。ただ、ドキュメントやスプレッドシート、ドライブの中で Gemini を使えるのは Business Standard 以上です。いちばん安い Business Starter のままだと、使えるのは Gmail の中の Gemini とチャットの Gemini アプリが中心になります。報告書や数量の表で使いたいなら、まず自社のエディションを確かめてください。

エディションによって、使える場所が違う

Google は、以前は別売りだった Gemini を、Workspace の Business と Enterprise のプランに組み込みました。追加で買うものはありませんが、エディションによって使える範囲が違います。

使う場所Business StarterBusiness Standard・PlusEnterprise
Gmail(要約・返信の下書き)使える使える使える
Gemini アプリ(チャット)使える(量に制限あり)使える使える
ドキュメント・スプレッドシート・スライド使えない使える使える
ドライブ(ファイルの要約・PDFの分析)使えない使える使える
Meet・Chat使えない使える使える
料金(1人あたり月額・年間プラン・税別)800円Standard 1,600円・Plus 2,500円問い合わせ

2026年10月19日に Google Workspace の料金ページとエディション比較の公式ページで確認。Business の各エディションは300ユーザーまで。料金や機能は変わることがあるため、契約の前に公式ページで確かめてください。

Gemini アプリの中で長い資料を読ませる量や、調べものをまとめる Deep Research の回数も、Starter は少なく抑えられています。資料の多い建設業の仕事で日常的に使うなら、Business Standard が出発点になります。

入れた資料は、学習やレビューに使われるか

Google の説明では、Workspace で使う Gemini に入れた内容は、人がレビューすることはなく、許可なく自社の外で生成AIの学習に使われることもありません。答えるときも、Workspace の権限に従い、その人が見る権限を持つファイルだけを材料にします。

気をつけたいのは、個人の Google アカウントで使う Gemini との違いです。個人のアカウントでは、「アクティビティの保存」がオンのとき、会話が学習に使われ、人がレビューすることもあります。社員が仕事の資料を個人のアカウントの Gemini に入れていないか、全社で使い始める前に確かめておきます。

仕事用のアカウントでも、Gemini アプリの会話の履歴は初期設定で18か月残ります。履歴を残す期間(3か月・18か月・36か月)や、履歴をオフにするかは、管理者が決められます。発注者から預かった資料を扱うなら、社内の規程に合わせて管理者が設定しておきます。

データの保存地域と、管理者の設定

Workspace には、データを保存する地域を指定する設定がありますが、選べるのは米国か欧州で、日本は選べません。Business Standard・Plus で指定できるのは保存されたデータまでで、Gemini が処理している間のデータまで含めて地域を指定できるのは、Enterprise Plus などの上位のエディションです。国内で保存・処理することを条件にしている業務では、ここが判断の分かれ目になります。

Gemini アプリ全体を使わせるかどうかは、Business のエディションでも管理者が部署ごとに切り替えられます。一方、Gmail やドライブなど、アプリごとに Gemini を止める設定は Enterprise のエディションに限られます。また、旧 NotebookLM(いまの Gemini Notebook)には、組織のファイル共有やデータの保存地域の設定が適用されないと説明されています。使わせるなら、扱いを別に決めておきます。

国の直轄業務で生成AIを使うときは、生成AI利活用計画書に、利用するサービス名と入力情報の扱いを書きます。ここで挙げた学習・保存地域の扱いは、その欄の根拠になります。

ドライブの資料を読ませるときの注意

ドライブのサイドパネルでは、「@」に続けてファイル名やフォルダ名を入れると、その資料をもとに答えさせられます。ただし、一度に分析できるフォルダは1つだけで、Google 自身も、選んだフォルダの全部のファイルが回答に含まれるとは限らないと説明しています。過去の成果品のフォルダを丸ごと渡して「全部の中から探して」と頼むより、対象のファイルを絞って渡すほうが確実です。

Gemini が材料にするのは、ドライブや Gmail、カレンダーなど Google のサービスの中にある資料です。社内のファイルサーバーに置いた図面や成果品は、ドライブに上げた分だけが対象になると考えておきます。フォルダの資料をまとめて読み、決まった表に書き出す作業が多いなら、パソコンから見えるフォルダを直接読めるAIエージェントのほうが向いています。違いは会話式AIとAIエージェントの違いで図解しています。

建設業の業務での使い方

Workspace の Gemini が得意なのは、Gmail・ドキュメント・スプレッドシートの画面を開いたまま、要約する・下書きする・表を見直すといった作業です。建設コンサルタントや建設会社の業務に当てはめると、次のような使い方になります。

業務Gemini での頼み方の例人が確かめること
発注者・協力会社とのメールGmail で長いやり取りを要約させ、期限と宿題を抜き出して返信の下書きを作らせる期限と数字が元のメールと合っているか
報告書の下書きドキュメントで、条件のメモと既往の報告書をもとに章立てと書き出しを作らせる技術的な判断と数値は、技術者が書き直す
数量の表の見直しスプレッドシートで、単位がそろっていない行や合計の範囲の漏れを挙げさせる挙がった行を開いて確かめる。見落としがないか
仕様書の読み込みドライブの PDF を指定し、業務の範囲・成果品・協議が要る事項を一覧にさせる一覧の各行が原文のどこにあるか
打合せの記録Meet の会議のメモから、決定事項と宿題に分けた記録を作らせる発言の取り違えがないか

ドキュメント・スプレッドシート・ドライブ・Meet の Gemini は Business Standard 以上で使えます。

よくある質問

Q.Gemini を使うのに、追加の契約は要りますか?
A.Google Workspace の Business と Enterprise のプランには、Gemini が含まれています。以前の Gemini のアドオンは、いまは購入できません。ただし Business Starter では、ドキュメントやスプレッドシートの中の Gemini は使えません。
Q.Business Starter から Standard に上げる価値はありますか?
A.報告書や表の作業で Gemini を使いたいなら、上げる意味があります。Starter で使えるのは Gmail とチャットの Gemini アプリが中心で、ドキュメント・スプレッドシート・ドライブの中では使えないためです。
Q.Gemini のデータを日本に保存できますか?
A.Workspace のデータの保存地域の設定で選べるのは米国か欧州で、日本は選べません。国内での保存を条件にしている業務では、契約や特記仕様書の条件と合わせて判断してください。
Q.NotebookLM は使ってよいですか?
A.旧 NotebookLM(いまの Gemini Notebook)は Workspace のエディションに含まれていますが、組織のファイル共有やデータの保存地域の設定が適用されないと説明されています。業務の資料を入れるなら、使わせる範囲を社内で決めてからにしてください。
Q.ChatGPT や Copilot とどちらを選べばよいですか?
A.全社で Google Workspace を使っているなら、Gmail やドキュメントの中で使える Gemini から試すのが順当です。サービスごとの違いは、ChatGPT・Gemini・Copilot・Claude を比べた記事にまとめています。

4つのサービスの比べ方は業務で使う生成AIの選び方、他社の法人向けの版はChatGPT の法人プランの選び方とMicrosoft 365 Copilot 有料版と無料版の違いにまとめています。業務データを入れる前に確かめる点は業務データを入れてよい生成AIの選び方をご覧ください。

  1. 1.Google Workspace「料金プラン」https://workspace.google.com/intl/ja/pricing.html(2026年10月19日確認:年間プランで Business Starter 800円・Standard 1,600円・Plus 2,500円、ユーザー1人あたりの月額・税別、Enterprise は問い合わせ)
  2. 2.Google Workspace 管理者ヘルプ「Compare Business editions」https://knowledge.workspace.google.com/admin/getting-started/editions/compare-business-editions(2026年10月更新:エディションごとの Gemini の範囲)
  3. 3.Google Workspace 公式ブログ(2025年1月15日の発表)https://workspace.google.com/blog/ja/product-announcements/empowering-businesses-with-ai(Gemini をプランに組み込み、追加購入なし)
  4. 4.Google Workspace 管理者ヘルプ(生成 AI のプライバシー ハブ)https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/generative-ai-in-google-workspace-privacy-hub(2026年10月更新:人によるレビューなし、許可なく学習に使わない、Workspace の権限に従う、Gemini Notebook には共有とデータ リージョンの設定が適用されない)
  5. 5.Gemini アプリ ヘルプ(仕事用のアカウントのプライバシー)https://support.google.com/gemini/answer/14620100(履歴は初期設定で18か月、管理者が3・18・36か月を選べる)/Gemini アプリ ヘルプ(プライバシー ハブ)https://support.google.com/gemini/answer/13594961(個人のアカウントでの学習とレビュー)
  6. 6.Google Workspace 管理者ヘルプ「Data covered by Data regions」https://knowledge.workspace.google.com/admin/compliance/data-covered-by-data-regions(2026年10月更新:地域は米国と欧州、処理中のデータは Enterprise Data Regions 以上)
  7. 7.Google ドライブ ヘルプ(ドライブの Gemini)https://support.google.com/drive/answer/16686465(一度に分析できるフォルダは1つ、全ファイルが含まれるとは限らない)
  8. 8.Google Workspace 管理者ヘルプ(Gemini アプリのオン・オフ)https://knowledge.workspace.google.com/admin/gemini/turn-the-gemini-app-on-or-off/同(Workspace のサービスごとの Gemini の機能へのアクセス)https://knowledge.workspace.google.com/admin/generative-ai/workspace-with-gemini/manage-access-to-gemini-features-in-workspace-services(アプリごとの設定は Enterprise Standard・Plus など)
小林 由快

この記事の監修

小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。

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