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地質調査DX2026.07.09

柱状図のデータ化|電子柱状図とXML変換の実務ガイド

柱状図の電子化は、紙をPDFにすることではなく、深度・土質・N値を「データ」として扱える形にすることです。電子柱状図・XMLの位置づけと、入力形式別の難所、AI-OCRの実務を整理します。

柱状図は地盤調査の要でありながら、いまだに紙やPDFのまま保管され、検索も再利用もできない「死蔵データ」になりがちです。本記事では、柱状図を電子化・データ化する具体的な方法と、AI-OCRを使った効率的なフローを、現場目線で解説します。本記事は柱状図の電子化に特化しています。ボーリングデータ全体の流れは関連記事をご覧ください。

「電子柱状図」とは何か

柱状図には、深度・土質区分・N値・色調・地下水位・試料採取位置など、地盤を評価するうえで欠かせない情報が凝縮されています。しかし紙やスキャンPDFは、あくまで「絵」として情報を持っているにすぎず、深度ごとのN値を取り出したり複数本を並べて比較したりしようとすると、結局は目視で拾い直すことになります。電子柱状図とは、こうした情報を所定の様式で構造化データとして持たせたものです。PDFは人が読むための形式、電子柱状図は機械が扱える形式、という違いだと考えるとわかりやすいでしょう。

電子納品・データ交換の様式(XML)

公共工事の地質・土質調査成果では、ボーリング柱状図を電子納品要領に沿ったXML形式で提出することが求められます。柱状図の各項目を定められたタグ構造で記述し、構造化されたデータとして納めるものです。柱状図から深度・土質・N値を構造化データとして取り出しておけば、後段でXML化する際の入力元データが整うため、電子納品を見据えた前処理になります。

入力形式別の難所

手書き・スキャンPDF・画像

  • 手書きの柱状図は、筆跡のクセ・かすれ・欄外の追記で精度が下がりやすく、数値の桁や土質記号の判読に検図が欠かせない
  • スキャンPDFは実務で最も多く、解像度が高く傾き・汚れが少なければ安定して読み取れるが、劣化した資料は精度が落ちる
  • 現場撮影の画像は傾き・影・ピンぼけの影響を受けやすく、真上から・均一な明るさで撮る一手間が後工程を助ける

AI-OCRでの電子化フローと検図

CAMELを使った柱状図のデータ化は、PDFや画像を取り込み、AIが深度・土質区分・N値などを抽出し、地盤定数の算出まで行って報告書(Excel・Word)として出力する流れです。読み取り精度は概ね90%程度で、原典PDFと枠を重ねた照合・補正や異常値の自動検出により、確認しながら使えます。特にN値の桁ずれ、深度区分の境界、土質記号、地下水位など見落としやすい欄は、原本と突き合わせる検図を残すのが実務的です。AIは作業時間を圧縮する下読み担当、最終判断は技術者、という役割分担が現実的です。

多くの会社では、過去案件フォルダに大量の紙・PDF柱状図が眠っています。一括電子化はいきなり全量を流さず、まず代表的な資料を数件試して精度と検図の手間を把握し、フォーマットごとに難易度を見極めてから優先順位をつけて進めるのが失敗しにくい進め方です。過去資産の電子化は一度やり切れば、その後の調査業務すべての土台になります。

Q.電子柱状図とは何ですか?紙の柱状図と何が違いますか?
A.電子柱状図は、柱状図の情報を所定の様式でデータ化したものです。紙やPDFと違い、検索・再利用・データ交換がしやすいのが特長です。
Q.スキャンした古いPDFでも電子化できますか?
A.対応できます。スキャン品質によって読み取り精度が変わるため、まず数件で精度を確認してから一括で進めるのが確実です。
Q.電子納品用の柱状図XMLはどこで作るものですか?
A.電子納品で求められる柱状図のXMLは、調査成果として作成するデータそのもので、柱状図作成ソフトなどで出力するのが一般的です。CAMELはその柱状図を読み取って報告書を作る側にあたるため、役割が分かれます。報告書やExcelをXMLで納めることは、通常は求められません。

Supervised by

監修:株式会社サファリテック 代表取締役 小林由快(北海道大学工学部卒。建設コンサルタント(日水コン)で土木設計・工事監理に従事した実務経験に基づき、内容を確認しています)

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