ボーリング調査DXとは、掘削・サンプリングから柱状図の整理、N値の扱い、報告書作成までの工程を、紙とExcelの手作業からデータとAIに置き換えて効率化する取り組みです。効くのは、現場記録の転記、柱状図からのN値抽出、地盤定数の算出、報告書の定型部分の4か所です。大がかりなシステムを入れなくても、工程ごとに小さく始められます。
なぜ今DXなのかという全体像は地質調査DXの始め方、入口になる柱状図のデータ化はボーリング調査のデータ化で扱っています。報告書づくりをAIで引き受ける仕組みは地質調査AI「CAMEL」で紹介しています。
ボーリング調査のどの工程に手間がかかるのか?
手間がかかるのは、現場記録の転記、試験成績書の様式の統一、N値からの換算と検算、報告書へのとりまとめです。
掘削・サンプリング/標準貫入試験(N値)
現場記録が紙だと、事務所での転記が二度手間になり、読み違いや転記漏れが柱状図作成でつまずく原因になります。N値(地盤の締まり具合を示す打撃回数)は地盤定数の算出や支持層の判定の起点なので、転記ミスがそのまま設計判断に響きます。柱状図からN値を深度と対応づけて自動で抽出し、技術者が検図する運用にすれば、精度を保ったまま転記の手間を減らせます。
室内土質試験/柱状図作成
試験成績書PDFの様式は試験機関ごとにまちまちで、統一した表への整理に手間がかかります(室内土質試験の結果整理)。柱状図も、作図そのものより、散らばったデータを集めて整合させる前工程に時間を取られます。既存の柱状図PDFをデータ化しておけば、地層構成やN値を検索・再利用できる資産になり、将来のCIM/BIM連携の土台にもなります。
N値・地盤定数の整理/報告書作成
何から始めればよいか?(小さく始める順序)
紙・PDFの柱状図の読み取りから始め、N値の抽出と地盤定数の算出、報告書ドラフトの作成へと順に広げます。
- 手作業が最も重く、転記ミスも起きやすい、紙・PDFの柱状図の読み取りから始める
- 読み取りが回り始めたら、N値の抽出と地盤定数の定型算出で検算の負担を減らす
- データがそろったら、報告書ドラフトの自動作成までつなげる
いきなりシステムを刷新せず、重い手作業ひとつから着手すれば、効果を確かめながら範囲を広げられます。自動化が進んでも、地層区分の判断、換算式・基準の選定、抽出結果の検図、考察と設計への橋渡しは技術者の仕事です。AIが作業を引き受け、人は判断に集中する。これがボーリング調査DXの現実的な着地点です。
- Q.ボーリング調査のDXは何から始めればいいですか?
- A.紙・PDFの柱状図の読み取りと転記など、手作業で重い工程の自動化から始めると効果を実感しやすいです。
- Q.N値の自動抽出はどの程度正確ですか?
- A.原本の状態や様式によって変わります。実データで読み取りの結果を確かめ、技術者の検図と組み合わせて使うのが実務的です。
- Q.小規模でも導入できますか?
- A.大規模な投資やシステム刷新は要らず、少人数からでも始められます。

この記事の監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役
北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。
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CAMEL(地質調査AI)
柱状図や土質試験のPDFを読み取り、N値の抽出から地盤定数の算出、報告書のドラフトと図表の作成までを支援するAIです。
- 柱状図・土質試験PDFの読み取り(技術者の確認が前提)
- N値の換算と、地盤定数(γt・c・φ・E)の算出根拠つき出力
- 報告書 第1〜5章のドラフトと、N値分布図・断面図・柱状図綴りの作図
導入企業での実業務時間にもとづく試算では、報告書作成が約50時間から約35時間になります。
地質調査AI CAMEL の詳細