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下水道の縦断図をExcelに読み取る|管底高・地盤高をAIで拾う手順と確かめ方

下水道の縦断図の管底高・地盤高をPDFから打ち直す作業は、AIエージェントに読み取らせてExcelに書き出せます。頼み文に書く6つと、読めない値を「要確認」にして出典の頁を残させる確かめ方を、研修での実例で整理しました。

縦断図の打ち直しを、貴社の様式でAIに任せる頼み文と確かめ方は、建設コンサルタントAIの伴走型のAI研修で一緒に作れます。

小林 由快

監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

下水道の縦断図の数値は、AIエージェントにPDFを読ませて、Excelに書き出させることができます。頼むときは、何を・どこから・どんな形で・どこへの4つに加えて、読めない値をどうするかと、値ごとの出典を書いておくのがこつです。仕上がった表は、読めなかった値と区間の漏れを技術者が図面で確かめます。この記事では、設計コンサルの方との研修で実際に試したやり方に沿って、手順と確かめ方を整理します。

下水道の縦断図のPDFから、縦書きで並ぶ管底高などの数値をAIが頁ごとに読み取り、路線・区間・管底高・出典の列のExcelに書き出す流れの図。読めない値は空けて要確認に色付けし、集計シートに件数を出す。最後に人が要確認の値・区間の漏れ・上流から下流への並びを確かめる
読めない値を推測で埋めさせず、空けて印を付けさせるのが確かめやすさの要です。

なぜ縦断図から打ち直すことになるのか

下水道の計画や設計では、他社のソフトで作られた縦断図を引き継ぐことがあります。ところが、自社の縦断図ソフトではそのデータを読めないことが多く、PDFや紙の縦断図を見ながら、路線番号・接続先の路線番号・地盤高・延長・管底高を1つずつ打ち直すことになります。路線が多い計画では、この打ち直しだけで何日もかかります。

流量表から拾える値もありますが、1つの路線の中で区間(スパン)が分かれている場合、流量表には途中の管底高が載っていません。結局は縦断図を見に行くことになるので、最初から縦断図だけで全部を拾えるのが理想です。

研修で試したやり方

ある下水道設計の会社との研修では、次の順で進めました。最終的には、読み取った表を自社の縦断図ソフトに貼り付けて戻すことが目的です。ソフトに入れるときは管底高を基準にする方針にしたので、縦断図から管底高を中心に読み取らせました。

  • 縦断図ソフトの入力の並び(路線番号・接続先・地盤高・延長など)で作った見本のExcelを用意する
  • 縦断図のPDFを1つのフォルダにまとめる。この会社の縦断図は、管底高が縦書きで並ぶ様式で、毎回同じ形
  • 頼み文に、読むフォルダの場所、見本のExcel、保存先を書いてAIエージェントに渡す
  • 途中でAIから「列はどの順に並べるか」と質問が来たので、見本と同じ並びで、と答えた
  • 読み取りが終わるまで数十分かかった。その間、担当の方は別の作業をしていた

AIエージェントは、PDFの頁を画像にしてから数値を読み取る、といった進め方を自分で選び、その過程を画面に出しながら進めます。何をしているかが見えるので、おかしな方向に進んでいれば途中で止めて指示を足せます。

頼み文に書く6つ

何を、どこから、どんな形で、どこへ、読めないときの扱い、出典の6つを省かずに書きます。

頼み文に書く6つの要素。何を(路線番号・区間・地盤高・管底高・延長)、どこから(縦断図のPDFが入ったフォルダ)、どんな形で(見本のExcelの列の順で、上流から下流へ)、どこへ(同じフォルダに決めた名前で保存)、読めないとき(推測で埋めず空けて要確認)、出典(値ごとに読んだPDFの頁を書く)
上の4つで作業の中身が決まり、下の2つで仕上がりを確かめる手間が決まります。

精度を上げるいちばんの方法は、何をどこからどんな形でどこに出してほしいかを、省かずに書くことです。研修で使った頼み文を、そのまま使える形にすると次のようになります。

  • 「『縦断図』フォルダにあるPDFをすべて読み、路線ごと・区間ごとに、地盤高・管底高・延長を読み取ってください。」
  • 「書き出す形は、同じフォルダにある『見本.xlsx』と同じ列の順にしてください。並びは上流から下流の順にしてください。」
  • 「管底高は縦書きで書かれています。読めない値や自信のない値は推測で埋めず、空けて『要確認』と書き、セルに色を付けてください。」
  • 「値ごとに、読んだPDFのファイル名と頁を『出典』の列に書いてください。1枚目に、路線数・区間数・要確認の件数をまとめてください。」
  • 「できたら『縦断図読み取り.xlsx』という名前で同じフォルダに保存し、どこに保存したかを教えてください。」

AIが途中で質問してきたら、それは頼み文に足りなかった点です。答えた内容は、次から頼み文やルールに書き足しておきます。

出てきた表と、人が確かめるところ

研修では、1枚目に集計、2枚目以降に路線ごとの読み取り結果が入ったExcelができました。読めた値には出典の頁が付き、読めなかった値は「要確認」として色が付いています。読み取りの漏れがないかは、いま担当の方が図面と見比べて確かめている段階です。

  • 「要確認」の値を、出典の頁を開いて図面から埋める
  • 区間の数が図面と合っているか。集計シートの区間数と、図面の区間数を比べる
  • 上流から下流への並びが守られているか
  • 読めた値のうち、変化点の前後や、文字が重なっている箇所

どの程度の割合で正しく読めるかは、縦断図の状態や様式で変わります。最初の数路線は全数を図面と見比べ、どこで読み違えやすいかをつかんでから、確かめる範囲を決めるのが安全です。

気をつけるところ

縦書きの数値と文字の重なりは読み違えやすく、並び順は指示しないとそろわないことがあり、処理時間と預かった図面の扱いにも注意が要ります。

  • 縦書きの数値:1文字ずつ縦に並んだ数値は、小数点の位置や桁を読み違えやすい。縦書きであることを頼み文に書いておく
  • 文字の重なり:管底高と他の数値や線が重なっている箇所は読めないことがある。読めない値は要確認にさせる
  • 上流から下流への並び:AIは縦断図から上流・下流を読み取れますが、並べ方を指示しないと、その順で並ばないことがあります。必ず守らせたい並びは、頼み文とルールに書く
  • 処理の時間:数十枚の縦断図では数十分かかることがある。急ぎの日に初めて試すのは避ける
  • 発注者から預かった図面:AIに読ませてよい資料かどうかは、会社の方針で先に決めておく

ルールを書き残して、次から頼み文を短くする

AIエージェント(研修で使ったのはClaude Code)は、作業フォルダに置いたCLAUDE.mdという指示書を毎回最初に読みます。会社全体のルールを書いた大元の指示書とは別に、縦断図の作業フォルダにだけ置く小さな指示書を作ると、その作業ならではの注意を毎回伝えずに済みます。

  • 管底高は縦書きで書かれている。桁と小数点の位置に注意して読む
  • 数値どうしが重なって読めないときは、推測せずに要確認とする
  • 表は必ず上流から下流の順に並べる
  • 列の並びは『見本.xlsx』に合わせる。単位は列名に入れる

AIから同じ質問が2回来たら、それはルールにすべき点です。「これを縦断図のルールに足して」と頼めば、AIが指示書に書き足します。

次の段階:ソフトへの貼り付けまでを1つの作業にする

縦断図から表を作る作業が安定したら、次はその表を縦断図ソフトに入れる作業です。2つの作業をつなげて1つの決まった流れにしておけば、毎回頼み文を打たなくても、縦断図のフォルダを渡すだけで同じ手順が回ります。これが業務専用のAIエージェントを作る、ということです。

応用として、区割り図の矢印から、どの路線がどの路線につながるか(系統)を読み取って一覧にする作業も、研修で検討を始めています。矢印がどの番号の路線を指しているかを読み違えないか、まだ確かめている段階です。丸で囲んだ数字が路線番号、矢印の先が接続先、といった読み方のルールを言葉にして伝えるのが出発点になります。

図面の数値をExcelにする作業は、建設コンサルタントがAIエージェントに任せやすい作業の代表です。ほかの業務の例は建設コンサルタントがAIエージェントに任せられる業務8つにまとめています。

よくある質問

Q.紙の縦断図しかありません。読み取れますか?
A.スキャンしてPDFにすれば読ませられます。ただし、かすれや傾きがあると読み違いが増えます。読めない値を要確認にさせ、最初は全数を図面と見比べてください。
Q.読み取った値を、縦断図ソフトに直接入れられますか?
A.まずはExcelに書き出し、ソフトの取り込みや貼り付けの機能で入れる形が確実です。ソフトへの入力までをつなげられるかは、お使いのソフトの取り込みの形式によります。
Q.どのAIを使えばよいですか?
A.フォルダのPDFを自分で開いて読み、Excelを作って保存まで進められるAIエージェントが向いています。研修ではClaude Codeを使いました。会話式のAIでも1枚ずつなら読めますが、写して保存する手間が人に残ります。
Q.路線数が多く、毎回同じ様式です。もっと確実にできませんか?
A.様式が決まっていて量が多い場合は、毎回AIエージェントに頼むより、読み取りと確認の画面を専用の仕組みとして作るほうが確実です。その場合は受託開発でお引き受けしています。
小林 由快

この記事の監修

小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役

北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。

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建設コンサルタント出身の代表が、貴社のAI活用を2つの頼み方で支えます。自分たちでAIエージェントを使いこなせるまで付き合う伴走型のAI研修と、照査や計算を仕組みにする受託開発です。

  • 図面の読み取り、報告書の概要版、比較検討表など、貴社の業務を題材に進める
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