建設業の資金繰りを改善する要点は、工事ごとの入金と出金のズレを把握し、手元資金を守るための5つの視点で管理することです。建設業は工期が長く、資材費や外注費の立替が先行しやすいため、利益が出ていても資金繰りが厳しくなることがあります。黒字でも手元資金が尽きれば事業は続けられないので、まずは資金の流れをつかむことが出発点です。
建設業の資金繰りはなぜ厳しくなりやすい?
工事代金の入金より資材費や外注費の支払いが先に来て、その間を会社が立て替えるためです。
- 着工から入金までの期間が長く、その間の支払いを立て替える必要がある
- 資材費や外注費の支払いが、工事代金の入金より先行しやすい
- 受注状況によって資金需要が大きく変動する
図のとおり、着工から入金までの間に資材費や外注費の支払いが先に来て、その差を会社が立て替えます。工事が重なる時期ほど立替が膨らむので、利益の額だけを見ていると資金不足に気づくのが遅れます。
手元資金を守る5つの視点
手元資金を守るには、入金と支払いの見通し、工事ごとの採算、手元資金の下限の目安、立替期間の短縮、金融機関との平時の関係の5つを押さえます。
- 先を見通す:入金と支払いのタイミングを資金繰り表(月ごとの入金・支払い・残高の見通し)に落とし、資金が薄くなる月を前もって知る
- 工事ごとに見る:工事ごとの採算を把握し、赤字案件を早期に発見する
- 目安を決める:手元資金の下限の目安を決め、余裕を持った資金計画を立てる
- 立替を短くする:支払条件・入金条件を見直し、立替期間を短くする工夫をする
- 平時に備える:金融機関と平時から関係を築き、必要なときに相談できるようにしておく
数字をどう経営判断につなげる?
決算書や試算表を振り返り、どの工事・部門で資金が生まれ、どこで滞っているかをつかむと、5つの視点のどれから手を付けるかの優先順位が見えてきます。資金繰りの悪化に後から気づかないよう、数字を定期的に見る仕組みも欠かせません。
サファリテックの経営参謀サービスでは、決算書をもとに収益性・安全性・成長性・効率性を分析し、具体的な改善策と数値目標を示して月次でフォローします。まずは損益計算書と貸借対照表があれば分析できるので、数字の読み解き方から相談したい場合もそのままお問い合わせください。
- Q.黒字なのに資金繰りが厳しくなるのはなぜですか?
- A.建設業は工期が長く、資材費や外注費の立替が入金より先行しやすいため、利益が出ていても手元資金が不足することがあるためです。
- Q.資金繰りを安定させるには何から始めればいいですか?
- A.入金と支払いのタイミングを資金繰り表で見通し、工事ごとの採算を把握して赤字案件を早期に発見することから始めるのが有効です。

この記事の監修
小林 由快株式会社サファリテック 代表取締役
北海道大学工学部卒。建設コンサルタントの株式会社日水コンで、土木設計と工事監理に従事。リクルートからの業務委託で新規事業開発も経験。現在はサファリテックの代表取締役として、建設・土木向けAIプロダクトの開発を率いている。
